akb48出展:中島 恵(なかじ ま・けい)
編集:ロンちゃん

中国の大学生に高校時代について聞いてみたが、
 「夜10時か11時まで学校にいた」という人も いれば、
「そこまで遅くはないが、かといっ て、クラブ活動をやった覚えもない」という答えばかりが返ってく る。
「クラブ活動があって も、「英語クラブ」や 「哲学研究会」のよう な「ほとんど勉強」で あり、

部室でおしゃべ りしたり(も)する日本の部活とはほど遠 い。
日本のように野球部、サッカー部、テニス部、吹奏楽部、演劇部といった多彩なクラブ活動があり、強いチームになれば週末も猛練習するし、
弱いチームであってもそれなりに楽しく仲間と語り合いながら部活を行う、と いった光景は、
中国にはほとんど存在しないの だ。

むろん、高校生の頂点を決める「甲子 園」(野球)や「花 園」(ラグビー)のよ うな伝統ある全国大会もない。
注:ロンちゃんの甥は、山口県代表として、甲子園にサードのレギュ ラーで出場しましたが、中学生時代から、野球の強い中学の近くに下宿しての野球漬け。
高校を卒業して、ス ポーツ推薦で、大学に入りましたが、肩を壊すと大学は、お払い箱で甲子園球児達を取り巻く環境は一部のプロ で成功する選手以外は 甘い物ではありません。(ToT)/~~~


中国の若者の放課後は、学校に残ってひたすら勉強するか、自宅 (または塾や家庭教師について)で勉強するかの二者択一。
☆酒飲むか、断酒して生き延びるかの二者択一は断酒で良い方向に 行くけど(*^。^*)
。。。。。 中国代表としてオリン ピックに出場するよう な若者は、幼い頃にその才能を教師や政府によって見出され、養成コースのある学校に通 うため、普通高校には通わず、1日の大半をその競技の練習に費やす。

中国人も放課後、たまにスポーツくらいしますが、勉強以外に特技があったって誰にも評価されない。
それが中 国の価値観であり教育 制度 中国の学校では恋愛も禁止だ。


最近では大学生の恋愛は黙認されているようだが、
中学・高校では 認められず、学校の帰 りに大通りをガールフ レンドと手をつないで寄り道する、なんていうことも許されない。

こうした中学・高校時 代を過ごしてきた中国 の若者にとって、アニメの世界だけでなく、 生身の人間として「青春」や「感動」を味わえる存在なのが、
中国にはいない、 AKB48や嵐といった日本のアイドル

一人ひとりが歌や踊りをマスターし、個性を磨き、いつかスポットライトを浴びたいと思って必死に努力する過程は、まさに苦労してレギュラー選手に選ばれるクラブ活動の過程に似ている。

2年前、本の取材のため に北京で会った大学院生、張潔(24歳)は、
嵐の大ファンで、中でも二宮和也の話になる と
顔をぽっと赤らめる。

「ジャニーズのアイド ルは顔がカッコいいだ けでなく、小さい頃か ら苦労して歌や演技を学んできて、内面を磨いているところがすごいなって思います。
私は彼らのまじめさや絆、礼儀正しさが好き。
ジャニーズのアイドルたちには、日本人ならではのよさが全部詰まっているような感じがするんです」

微博(中国版ツイッ ター)などを見ていても、キムタクから亀梨和也まで、ジャニーズアイドルの人気は非常に高い。

 「日本は気に食わないけど、キムタクは好き」と公言する女の子も少なくない。

多くの中国人が評価しているのは、彼らの顔や歌唱力よりも人間性や内面だという点だ。

先輩後輩の上下関係を重んじ、規律正しく、一生懸命に努力する姿は、どこか中国の儒教の精神や、
中国が本来 持っていた道徳観に通 じるところがあるのかもしれない。

「子どもの頃、中国の テレビで『スラムダン ク』とか『タッチ』と いったスポーツアニメ を見た中国人は『クラ ブ活動っていいなぁ』 と思って夢中になるのですが、

同時に思うのは、『日本の高校生 は、本当にこんなに夢みたいな生活をしているの?
まさか、嘘でしょ う?』という疑問で す。

素の日本人と接したことがほとんどないから、今の日本人がどう いう学生生活を送っているのか、全然知らないのです」

「少女時代が好きっていう人は、足が長い、 顔がきれいという見た目重視派が多いですね。

つまり表面的な美しさに惹かれる人。
彼女たちは全員が全員美人で、似た顔をして います(笑)。

でもAKB48が好きな人はそうじゃない。
どこにでもいそうな普通の女の子なんだけ ど、一人ひとりがみんな違う。 ひたむきに努力する過程に共感する人が多 い。
つまり内面的な部分に惹かれるということ。

韓国が中国の競争社会と同じくナンバーワン重視なら、
日本はオンリーワンに価値を置いているということです」

韓国(少女時代)よりも日本(AKB48)が発信するコンテンツのほ うが、ソフトパワーという点で優れていると思います。

それは、日本人の考え方が体現されたコンテンツだからです。

なぜ、日本政府はこんなにいいコンテンツが あるのに、それをもっと世界に向けてアピールしないのだろう?と不思議に思います。

そうすれば、日本人が 世界からもっと理解さ れやすくなると思うのですが」

中国の文武両道は、司 馬遷の「史記」にも登場するように中国が発祥。
勉強だけでなく、身体も鍛えることによって、健全でバランスの取れた人間として成長できる。

しかし、今の中国では失われ、ただひたすらに「勝ち 組」になるための詰め込み教育が行われてい る。

日本人が特別「ありがたみ」も感じないまま過ごしてきた日々を、
彼らはのどから手が出るほど欲している。

それが中国という国で生きる若者たちの厳しい現実だ。

中国人が本当の日本人の姿を知らないまま尖閣問題で暴徒化するように、日本人も中国人のそうした心情を知らないのだ。

私たちは自分たちが経験できなかったものを、日本のアイドルやアニメを通して学ぶことができた。
 
同時に、そういうものを通して、日本人の考え方や日本文化も理解できるようになった。

だから、日本が好きになったんです。
尖閣問題が起きたときにも、本当のAKB48 ファンはみんな冷静でした。
一方的に日本を非難したりはしなかった。

それは、ひとりでも生身の日本人アイドルを知り、彼女の言動を通して日本という国を見ているからなんじゃな いでしょうか。

来年にはAKB48の中国版ともいえるSNH48が始動するという。

いよいよ日本発のコンテンツが海を越えるのだ。
日本からは宮澤佐江、 鈴木まりやが移籍し、中国人メンバーに加わって活動する予定 だ。

日本政府は独自のコン テンツをもっと活用することで、少しでも中国側の理解を求めていくことはできないだろうか。

ボタンの掛け違いを 直していくためには、 ソフトパワーは大きな威力を発揮していく事は間違い無い。(*^^)v